NEWS&EVENTS(2021年度)

EVENTS

 
≪本セミナーについて≫
GCPリノベーションに向け、皆様の組織の準備はいかがでしょうか。「しっかり取り組んでいるので大丈夫!」「取り組んではいるけど、何となく不安…」「良くわからなくて何もしていない」いろいろな声が聞こえてきます。
そこで、GCPリノベーションに向け、自組織が取り組むべき課題について具体的な課題や方向性を見出していただくことを目的に第2回のセミナーを企画しました。他組織の取り組み事例を小グループで共有する時間や、自組織で取り組むべき課題について検討する時間などグループディスカッションの時間を多くとっています。
 
また、初めての取り組みとなりますが、自組織の具体的な課題などを検討する上でグループ参加が有効に働くのではないか、また、組織へ戻った後、具体的な提案なども容易になると考え、チームグループ※でご参加いただくこととしました。皆さまのご参加を心よりお待ちしています。
 
※グループは、所属している同じ組織の仲間でも、別々の組織の仲間や外部活動での仲間でも特に規定はありません。
※個人(お1人)での参加も可能ですが、参加費用は同額となりますのでご了承ください。
※グループ人数はディスカッションの観点から3名(最大5名まで)を推奨します。


≪講師≫ 佐藤 隆 氏 (PMオーケストラ サトウタカシ)
≪形式≫ 講義およびグループワーク(GW)
≪アジェンダ(予定)≫
・講義①GCPリノベーションに向け、自組織で何をする?:ACRP教育委員会(20分)
・講義②コミュニケーション by デザイン:佐藤先生(20分)
・GW①(他組織メンバーとGW):他組織の取り組み事例の紹介&共有(30分)
・GW②(自組織メンバーとGW):GW①の共有、「自組織に大切なこと」について検討し、明確な方向性や具体策をデザインする(30分)
・情報共有(10分)
※ファシリテーター:今野 浩一氏 PMコンサルティング ポジティブ・インテンション
 
日時:2021年4月16日(金) 18:30~20:30(18:15 Open)
場所: オンライン開催(Zoom)
受講対象者
企業/アカデミアで臨床開発業務に従事しておられる方で、GCPリノベーションに向け、自組織が取り組むべき課題について具体的な課題や方向性を見出し、GCPリノベーションに向けて実際に取り組みたいと考えている方
 
費用*:
・申込者が1人でも会員の場合:1グループ(3名推奨、5名まで):5,000円
・申込者が全員非会員の場合:1グループ(3名推奨、5名まで):7,000円
 
*個人(お1人)での参加も可能ですが、参加費用は同額となりますのでご了承ください。
*お申込者都合によるご入金後のキャンセルにつきましては、ご返金をお受けしておりません。あらかじめご了承ください。
 
配布資料:事前配布なし
 
申込はこちらからお願いいたします。
(グループでの参加お申込をいただく場合、参加者全員のお名前の入力も申込時に必要となりますのでご了承ください。)
 
お問い合わせ先
日本ACRP事務局(acrp@acrpjapan.org)までお願いいたします。

ACRP-J便り

 
Author: 湯川 絢子、近藤 奈津子
Contact: acrp_grobal@acrpjapan.org

日本ACRP国際委員会です。

今回は前回紹介したPart1- Technology & Future Trends Trackに引き続き、Virtual ACRP 2020, Part II Sep 3, 2020 ‐ Nov 5, 2020を紹介いたします。 
Part IIでは、COVID-19パンデミックというこれまでにない環境下において、臨床試験が新たなテクノロジーをどう適用し 、いかに“Innovative”に運営されたかを中心に、今後の試験をデザインする上で大きな“Insight“を得られる4テーマの発表がありました。リンクはこちら

  1. Square Peg in a Round Hole: Remote Trial Innovation During a Pandemic
  2. Welcoming Technology into the World of Clinical Trials
  3. Hang Ten: How to Surf the Wave of New Technology without Wiping Out
  4. A Plain English Description of Technology and How it May Contribute to Research

このうち、COVID-19感染症治療薬治験の実際を紹介した「1.Square Peg in a Round Hole~」をご紹介いたします。

Square Peg in a Round Hole: Remote Trial Innovation During a Pandemic/Jessica Thurmond, ACRP-CP, Clinical Trials Manager, Clinipace

2020年1月にCOVID-19が初めて診断された後、2020年3月27日にはFDAがいち早くCOVID-19パンデミックにおける臨床試験運営のガイドラインを発表しました。リンクはこちら
 
ガイドラインの目的は以下の4つです。
・被験者の安全性を確保すること
・安全性評価のために代替の方法を許容すること(電話ビジット,バーチャルビジットなど)
・治験薬の配送による処方を許容すること
・SDVが困難な状況においてはセントラルモニタリングやリモートモニタリングを許容すること

演者は、以前よりAIやデバイス、革新的なテクノロジーに関心があり、新たな手法の受容、順応が必要と感じながらも、パンデミックが起こるまでは100%SDVを行う旧来の方法しか経験がなかったといいます。
発表の前半は、試験をリモートで行う際のリスクやメリットに関する考察でした。(※は演者のコメントです)
【CROのリモート臨床試験運営におけるリスク】
・被験者組み入れの遅延や中断
・継続中のコンプライアンス不順守と障害
・施設で行っていたトレーニングや取り組みができないこと
・検査キットや資材の搬入遅延 
※ 臨床のCOVID-19の検査が優先されたため、結果が得られるまでの時間も大幅に遅れました。
・統計解析方法の変更によるデータの変更
※ 中等症を対象としていたこともあり、緊急回避のため逸脱がやはり大きく影響しました
・プロトコル改訂の発生
※ 1か月に4回も皆大好きな?計画書改訂がされたこともありました

【施設のリモート臨床試験運営におけるリスク】
・多すぎる評価項目
・限られた時間の中でのトレーニング実施
・限られた時間での被験者組み入れ
・足りないスタッフで実施しなければならない過負担
※ 離職者、担当交代も多くありました。
・被験者対応時間の不足
・手続き、承認の遅れ
・リモートで限られてしまうPI(責任医師)との連携
※ PIに会えないためすぐに回答を得られず、CRCはフラストレーションを抱えていました。

リスクの裏には、ベネフィットがあります。それこそイノベーション!であり、結果Patient Centricity(患者中心)が実現します。
・費用の削減
※ 短期的には導入コストがかかりますが、長期的には削減されていきます
・組み入れと継続期間の短縮
※ DCT(Decentralized Trial)がこれを可能にします
・データ収集力の向上と安全性管理の改善
※ リモートモニタリングの活用により特に安全性モニタリングが充実します
・試験運営の負担軽減
※ 短期的には適応、順応のための導入やトレーニングの負荷はかかりますが、長期的に見ればその負担が軽減することは間違いないでしょう。

後半は、自身が経験したCOVID-19感染症治療薬の治験におけるチャレンジが紹介されました。
この治験は、肺線維症を対象とした第2相試験で、入院下で120例を対象としたものでした。試験は5営業日で計画、最終化され、キックオフミーティングから最初の施設立ち上げまで14営業日、EDCは14暦日で設計されました。これには聴講者からも“Crazy!”といったコメントが寄せられていました。
また、この試験は、“Adaptive Design”と呼ばれる、実施しながら逐次データ解析を行い、計画を変えていくという手法を採用していました。
実施施設には、『臨床試験の経験が豊富で競合試験がなく、電子カルテ(EMR)へのアクセスが可能な大規模感染症専門病院』を基準として、米国内の10施設を選定する予定でした。しかし、実際には”信じられないほどの困難さ”で進まず、あらゆるコネクションとネットワークを総動員して200施設を調査した結果、米国内で25施設、南米で9施設が選ばれました。COVID-19の感染拡大地域の変化、競合試験の影響といった試験を取り巻く環境が刻々と変化していたため、選定された施設の経験、規模および専門領域も当初の想定と大きく異なる結果となったのです。
この試験のモニタリングプラン(CMP)作成においては、「COVID-19タスクフォース」を立ち上げ、リモートモニタリングを実装しました。ICH GCP E6(R2)に準拠するため Site Quality Visit Formを用いて、モニタリング実施毎にアセスメントを行いながら報告書とともに繰り返されるリスクを評価、特定し、次回のモニタリング実施時期を決定します。SDVは25%(主要・副次評価項目、有害事象および併用薬)に絞られました。その理由は、重篤度が中等症の被験者が入院して、ほぼ同日に治験に登録され、同意取得とベースラインスクリーニング、適格性判定がほぼ同時に行われるためです。SDVの対象項目は減らしながらも、セントラルモニタリングでデータクリーニング、データマネジメント(DM)、クリニカルモニタリング、解析(Biostats)、安全性監視を常時連携させ、また毎週、逸脱記録や安全性情報のTrial Master File (TMF)への格納を行う手順としていました。それでも70~75%の医療機関でEMRへのアクセスができなかったり、各医療機関のIRBでeConsentやシェアファイル(ファイル共有システム)のバリデーションの審査が必要になるなど、試験の運営は困難を極めたとのことです。
SDVを行う対象被験者は、各施設登録験者の20%、各割付群の20%といった基準で選択しました。ただしこれらは各施設で異なる登録進捗状況(登録の早い/遅い、多い/少ない)、またSDV対象であってもデータがタイムリーにかつ十分に収集されている必要、CRAが問題を感知した場合掘り下げて確認を行う必要などを考慮し、随時調整をしなければなりません。従って、どの程度のSDVを行うかは試験早期のうちに依頼者と合意しておく必要があります。試験開始時にはどのデータが安全性の面で重要になってくるかはわからず、この調整が結果的にAdaptive Designを採用する上では課題となってくるからです。
CRAもこの大きなチャレンジに意識を変えて臨み、データがタイムリーに収集されているか、施設では十分なリソースとサポートが確保されているか、PIは自施設の“Oversight”(監督・管理)できているかといったように、各評価項目を個々にチェックするのではなく、被験者のデータを包括的に確認するようにしていたとのことでした。

一方、施設側の取り組みとして、スタートアップミーティング(Site Initiation Visit)をテレカンファレンス と録画したトレーニングプラットフォームを併用し実施したことは効果的だったといいます。その理由は、とにかく激務のなかで試験に割ける時間が限られた院内スタッフにとって、必要な部分だけを録画から選択してトレーニングを受けられたためです。
また、この試験ではDMもBiostatsもとにかく時間!時間!時間!時計と競争していました。彼らの取り組みにより次々生ずる新たなプロトコールの解釈や運用の変更は、それを都度確認する施設にとって相当の負担、混乱のもととなっており、プロジェクトマネジャー、CRAらはFAQを毎週更新、配信し、周知を図っていくことでこれを解消、サポートしていったそうです。
このように、施設ごとに継続したリスクアセスメント→セントラルモニタリングの実施→イシューマネジメントの強化→プロセスに応じたモニタリングへの変更というサイクルを確実かつ円滑に回すことが必要であるとのことでした。
最後に演者はこの治験でのチャレンジを、「プロジェクトマネジメント」「リモートでの同意確認」「被験者募集」「ベンダーマネジメント」「治験薬管理」「データマネジメントと解析」「Trial Master File」「チームメンバーのケア」に分けてその特徴と課題、困難であったことを説明し、経験から得た対策の提案をしています。例えば「臨床検査基準値は試験の標準値ではなく各施設のNLRを絶対に使うべき」など。こうした急性期、感染症といった領域で、リモートで試験を行うには非常に具体的で説得力のあるアドバイスです。また、資料には“Are Your Protocol Assessments Truly Feasible in a Remote Setting?”という、対象試験のプロトコールがリモート化するに適しているか否かを判定するアルゴリズムチャートが紹介されていますので、参考にしてください。

このセッションは、非常に刺激的でタイムリーなケーススタディーでした。ACRPのVirtual Sessionが面白いのは、演者が発表している間にも質問やコメントがどんどんチャットに寄せられ、聴講者からのリアルな質問やコメントにどんどん回答しながらいくというライブ感満載のやり取りが展開されるところです。発表内容は配布資料で確認できますが、このレポートにはそうしたプレゼンターの熱のこもった経験や聴講者とのディスカッションの内容も多く含んでいます。このライブ感はVirtual Sessionならではの醍醐味です。皆さんも是非視聴いただき、最新トピックに対する理解を深めていただければと思います。
次号では、 いよいよ Virtual ACRP 2021Jan 12, 2021 - Sep 30, 2021 のプログラムの見どころをご紹介してまいります。2021でも以下の3パートを1年を通じて開催しています。
Innovation in the Era of COVID
(January 12, 13, 14 (Recording Available with Full Conference Registration)
Operational Efficiencies
(May 13, 20, 27 | 11:00am-4:45pm EST)
Regulatory Trends & Compliance
(September 16, 23, 30 | 11:00am-4:45pm EST)

また、本部の会員・非会員を問わず、Virtual ACRP2020およびVirtual ACRP2021の事後登録でオンデマンド配信の視聴が可能です。実際の発表レコーディングが視聴出来ますので、事後登録でもオンタイムと変わらない情報が収集可能です。リンクはこちら
 
またACRPでは、こうしたConferenceに限らず多様なテーマを扱った高品質なWebinar、Trainingをご用意しています。ご関心をお持ちの方、ぜひご覧ください。リンクはこちら
 
ACRP本部のメンバーになることで無料で聴講できる講座も多く、皆様にご紹介したいコンテンツ満載です。是非メンバー登録もご検討ください。リンクはこちら
 
参加登録が不安な方には、私たち日本ACRP国際委員会がサポート致しますので、ご連絡ください。
また、日本ACRPの会員も募集しています。リンクはこちら
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